コロナとマスコミ

マスコミが世論を先導する社会でいいのだろうか

濫用される陰謀論 秦正樹氏と籏智広太氏による事例

これまで書いてきたように陰謀論はその言葉が何を指してているのか実ははっきりしていない。よく例で挙げられる「新型コロナワクチンは人類を減らすため」は分かりやすいから異議を唱える人もあまりいないと思うが、「選挙に不正があった」をそれなりの証拠付きで提示されたらその証拠を検証するまで陰謀論と断定できるはずもない。

トランプ陣営が主張したからジャーナリストの方々は自信満々に陰謀論と言うのであって、これがもし自民党関係者が開票作業に介入し相当数の立憲民主票を無効にした」という話だったらどうだっただろう?彼らは「選挙結果に民意が反映されていない!」と主張する人達に「それは陰謀論だよ」と諭すことができただろうか。

 

陰謀論』は定義が不明確なまま濫用されている。敵を攻撃する道具として。
それはこの秦正樹氏と籏智広太氏によるバズフィードの記事を見るとよくわかる。

記事の後半まで読むと在日特権陰謀論と出てくる。少なくとも住民税が減免されていたという話はあるのだから、在日特権を丸ごと陰謀論にするのは無茶だ。

(それは「特権」ではないよ、と言う人は例えば安倍氏の親族がわけもなく山口県の県民税を減免されていたら何と呼ぶか考えてみてほしい。)

事実かどうか確認できない、ならまだしも事実として新聞に出た話をなかった事にするつもりだろうか。(この話、ネットで検索したら記事がj-castしかヒットしないから驚いた。当時は朝日新聞も記事にしていたのに。)

もちろん中には憎悪をなすりつけただけのデマもたくさんあるだろう。ネット上では彼らに対する異様なまでの憎悪発露を見るから当事者やその友人らが神経質になるのは理解できる。しかしだからと言って事実を曲げてはいけない。それが新たな憎悪を生む原因にもなる。

「新聞社」によって確認された事実までも陰謀論にされてしまうなら、一体この世のどこに陰謀論者でない正常な人間がいるというのか。大学教授ジャーナリストならばもう少し思慮深くなってほしい。そして敵を殴りつける道具として『陰謀論』を使うのはやめてほしい。