コロナとマスコミ

マスコミが世論を先導する社会でいいのだろうか

書類送検と書類送付

一昨日だったか、夜のNHKニュースで市川猿之助の事件を取り上げた際に男性アナウンサーが「人気と実力を兼ね備えた歌舞伎俳優の・・・」と枕詞を付けて紹介していて笑ってしまった。

www3.nhk.or.jp

なぜそこでヨイショするのか。ファンなのか。殺人の可能性も十分に考えられる事件の容疑者にしては扱いが緩かった。

このニュースを見て、過去にジャニーズタレントが警察沙汰になった時、報道の文面が「容疑者」ではなく「メンバー」になったり「書類送検」が「書類送付」になった件を思い出した。

ima.goo.ne.jp

www.news-postseven.com

「書類送付」の特例はジャニーズだけではなく言論業界の知識人にも適用された。

www.tokyo-np.co.jp

この東京新聞の記事では

報道機関も警察が検察庁に書類を送る際にどのような意見を付けたかによって、言葉を使い分けて報道しているケースが多い。取材結果に基づき、警察が起訴を求めているようなケースでは「書類送検」、逆に警察が起訴を求めていない時は「書類送付」とする書き方だ。書類送付には、警察としては嫌疑の疑いは薄いとみており、法的手続きとして書類を検察庁に送ったとする意味合いが込められている。

と、普段から両者を真っ当に使い分けていると主張しているが、以前私が図書館で朝日新聞のデータベースを検索した時は「書類送検」が使用されている記事は山ほど見つかったものの「書類送付」が使用されている記事はほとんど見つからなかった。

一つ上のニュースポストセブンの記事にも、

確認した限りでは、過去に大メディアが「書類送付」を用いた被疑者は、「毎日新聞社長による名誉毀損容疑」「サッポロビール社長の傷害容疑」「氷川きよしによる暴行容疑」「叶姉妹実妹の横領容疑」くらいのもの。

との記述がある。

東京新聞は違うのかもしれないし、「書類送付は嫌疑が薄い場合だから記事も少ないに決まってんだろ」という言い訳もできるかもしれない。

私は、単に身内に甘いだけと思っている。

市川猿之助の件も。彼は過去に出演したドラマがたくさんあるから、罪人の出演作はお蔵入りさせるという謎めいた風習を持つこの業界の人々からすると、できるだけ軽い罪で終わってほしいし、彼が社会に許される事を願うだろう。同情的な報道の裏にそんな思惑も見え隠れする。

陰謀論だろうか?報道がテレビ局のそんな思惑に左右されるわけがない。

しかし私達はそういった思惑にジャーナリズムが屈した姿をジャニーズ問題で目の当たりにしたばかりだ。