紅白歌合戦とジェンダーバイアス
紅白歌合戦の存在は本当に謎だ。
たとえば自民党議員が人を集めて紅組白組に男女を色分けしてカラオケ大会をやったら、それだけで大問題だろう。そこに性自認が女性である男性がいて彼を白組に分けたりしたら、テレビは連日大騒ぎになり議員辞職に追い込まれる者すら出るだろう。
20年前ならまだしも今の時代に、しかも「LGBTの権利を守ろう」と掲げている人達が率先してジェンダーレス社会に逆行しようとするのだからまったく笑えない。男女の色分けはジェンダー問題の基本のはずだ。朝日新聞のような大メディアも取り上げている。
しかも単に番組を続けるだけにとどまらず、NHK職員有志が紅白を改革しようとする会長を批判する声明文まで出したのだから噴飯物だ。
『『紅白』も打ち切りになる方向で進められています。すでに前田会長は執行部に『終わらせる』と話しているそうです。昨年も前田会長による激しい介入があり、紅組、白組の対抗形式を廃止するよう指示。抵抗した現場は苦し紛れに『カラフル特別企画』を入れていました』
時代を考えれば、そして自分達が普段展開している主張からすれば打ち切りは完全に正しい方向のはずだ。
NHK職員は本当に「紅白歌合戦を続けるべき、続けていい」と思っているのだろうか。会長への抗議には唖然とした。
他のメディア、ジャーナリスト達から「紅白歌合戦はジェンダーレス社会に逆行しているからやめるべき」という批判の声が上がらないのも理解できない。もちろん「仲間だから非難しない」という空々しい現実は理解できるが。
ジャーナリスト達の掲げる正義が、いつも特定の方向にしか働かない事にうんざりする。リベラル思想は政敵を叩くための道具ではないはずだ。彼らには、もうこれ以上リベラル思想を歪めないでくれと伝えたい。