ヤフコメのドイツ脱原発記事オーサーコメントがひどい
このドイツが脱原発に向かうという記事に対して、ヤフコメの上位に表示される専門家コメントの中に見過ごせない物があった。日本若者協議会代表理事の 室橋祐貴 氏は以下のようにコメントしている。
『「ドイツはフランスから電気を買っている」というコメントがたくさん投稿されていますが、むしろドイツは電力の輸出国で、フランスにも輸出しています。(中略)日本のネット上はエネルギー政策に関するデマも多く見られ、まずはファクトを抑えて議論するのが重要です。』(ヤフーニュースコメント欄より引用)
脱原発の文脈における「ドイツはフランスから電気を買っている」という指摘は要するに、太陽光発電や風力発電は自然まかせで安定供給が保証されてないよね、ドイツは電力不足の時に原発やってるフランスから電気を融通してもらえるから本当の意味で脱原発ではないよね、島国の日本は真似できないよね、という趣旨なわけだが、この指摘に対して「むしろドイツは電力の輸出国で、フランスにも輸出しています」などと書き、その後の文で唐突にネット上のデマに言及する。
あたかも「ドイツがフランスから電気を買っている」という指摘までもがデマであるかのように匂わせる卑しい文章の書き方だ。
ドイツがフランスから電力を輸入しているのは事実なのだから、ドイツの電力輸出に言及したいなら室橋氏は「むしろドイツも電力の輸出国で、フランスにも輸出しています」と書くべきである。
「ファクトを抑えて議論」と自分で言っているのに何故こんなコメントを残してしまうのか不思議だ。
なお中略した箇所を含めた氏のコメント全文は下記の通り。
「ドイツはフランスから電気を買っている」というコメントがたくさん投稿されていますが、むしろドイツは電力の輸出国で、フランスにも輸出しています。
また原発による電力の減少分を再生可能エネルギーで補っており、化石燃料の割合は徐々に減ってきています。今後も再生可能エネルギーの経済効率性が上がることを踏まえると、値段も下がっていきます。
他方、フランスは原発の稼働が計画通りに実施されていないため、輸入を増やしています。かつ、再生可能エネルギーよりも、化石燃料で補っているため、長期的に値段が下がりにくい状況にあります。
日本のネット上はエネルギー政策に関するデマも多く見られ、まずはファクトを抑えて議論するのが重要です。
(他の方のコメントを踏まえて一言追記しますが、電力の物理的な流れと商業的な流れは別でよく混同されています。物理取引データだけを見るのは間違いではありませんが、不十分な情報です)