コロナとマスコミ

マスコミが世論を先導する社会でいいのだろうか

岡秀昭氏の倉田真由美氏ツイート記事に対するコメント

テレビにもよく出演されていた医師の岡秀昭氏が倉田真由美氏のツイッターコメントにヤフコメで苦言を呈していた。

いわく「医療現場の実情をよく知らない方が発信することではない」と。そして倉田氏の意見を取り上げたマスメディアに対し、「このような内容のないニュースではなく疾病の正確な情報、信頼できる専門家の意見、患者や現場の事実を伝えて」と仰っていた。

もっともな意見だ。知識もないのに文句を言うな、はどの業界で働いている者でも言いたくなる言葉だろう。常日頃から文句ばかり言われている官僚や政治家も心の中ではそう思っているに違いない。

だがもちろんそれを口にしたりしない。

 

民主主義社会は専門家が支配する社会ではなく、市民一人一人の判断の積み重ねの上に成立する社会だからだ。愚かな意見だとしても決してその人の口を塞いだりしてはいけない。力ある立場の者が力なき一市民の口を塞いではいけないことを知っている。

医師は権力者だ。医師が患者に対してどれだけの権力を持っているのか考えてほしい。患者は命を人質に取られているのだから医師に対して政治家以上の力の差を感じている。口ごたえなんてできない。いつも機嫌を損なわないように顔色を窺っている。時に医師の言葉は政治家以上に力を持つ。岡氏には自身が社会で力を行使する側にいるということを理解してほしいし、ヤフコメで一市民のツイートに噛みつき言論を抑制させるような行為は慎んでほしい。

 

マスメディアに対する岡氏の批判、これももっともである。マスメディアは新型コロナ報道でネガティブ情報にバイアスを掛けて発信すべきではないし、そうやって我々の行動のコントロールを試みるべきではない。市民に正しい判断を行うための情報提供をするという本来の役割に専念すべきである。

そのためには煽情的なネガティブ情報ばかり提示する専門家の意見だけでなく、統計を理解した専門家、数字に基く冷静な情報を提示できる専門家にもテレビ出演を依頼し、その意見も同様に伝えるべきである。