コロナとマスコミ

マスコミが世論を先導する社会でいいのだろうか

菅直人元首相はヒトラー発言より嘆願書署名の方が

ヒトラー発言で話題になっている立憲民主党菅直人元首相について、私が今ももやもやするのが、拉致実行犯の釈放嘆願書に署名したという問題。

これは彼一人の問題ではなく、他の複数の政治家も関与した問題で、スパイ容疑で韓国政府に逮捕された在日韓国人活動家達の釈放を韓国政府に要求する嘆願書に署名したというもの。そのリストの中に日本人拉致事件の実行犯の名まで入っていたという。

リストに載った人物をよく確認せずに署名してしまったということらしいが、それで済ませてしまって良かったのだろうか。そもそも真偽はともかく韓国政府に北のスパイとして摘発された人物の釈放を要求する嘆願書に日本の国会議員が、精査もしないで気軽に署名して良かったのだろうか。

当時は拉致の問題がそこまで大きくなかったからそこまで考えが及ばなかった、という言い訳もあるようだがそれは無理筋だろう。1980年代は既に北朝鮮による日本人拉致の問題は新聞に頻繁に取り上げられていた。北の工作員が日本人に成りすまして活動している問題も当時朝日新聞が記事にしていた。国会議員が知らなかったで済むはずがない。

百歩譲って時代の違いで済ませたとしても、その後彼を首相にまでしてしまったのは悪手だった。たとえ知らずにやってしまった事だとしても、署名した事実は消せない。

拉致実行犯の釈放を要求した人物を日本は首相にした。

この事実は重い。なぜなら、ここから「だから日本人は拉致問題をさほど重要だと捉えていない」という誤解を引き出せてしまうから。

拉致問題を非難する諸外国に対し北朝鮮「日本はそれほど気にしてないですよ。だって拉致犯を釈放しろって人をトップに据えたんだから」と説明したらどうだろう。そのまま鵜呑みにされることはないだろうが、やはり一瞬戸惑うだろう。「え?首相が容認していたことなの?」と。「え?拉致犯釈放を要求した議員を日本人は許したの?それじゃこれは日本にとって言うほど大きな問題じゃないんだね」

無関係な第三国からすれば問題を一歩引いた立場から見たくなってしまう情報となろう。

拉致問題は今もなお未解決で進行中の問題であるから、立憲民主党が氏を最高顧問に据え続けるのも良くないと思う。今挙げたような誤ったメッセージの発信に利用されるおそれがある。立憲民主党拉致問題をどう考えているのだろう。

この問題に比べればヒトラー発言はそこまで騒ぐ話でもない。