コロナとマスコミ

マスコミが世論を先導する社会でいいのだろうか

クローズアップ現代プラスがSNS攻撃

1月4日のクロ現でSNSが民主主義を脅かす、という特集をやっていて怖かった。冗談抜きで、見ていてマスメディアやジャーナリストを怖いと思った。一部のジャーナリストは市民からSNSを取り上げる事を望んでいるとさえ感じた。

 

SNSが世論を捏造する」と番組は言っていた。私にはマスメディアが世論を作り出すこととクリティカルな違いがあるようには思えない。SNSが作る世論が捏造で、マスメディアが作る世論が正しいという根拠はどこにあるのだろう。「HPVワクチンは危険」という誤った世論を作ったのは誰だっただろうか。

 

フィリピンで「ジャーナリストは嘘つきだ」というデマが蔓延している、と番組は言う。ドゥテルテ大統領が自身を追及する記者のマリアレッサを陥れるために流したデマがSNSを通して拡散し大衆が扇動されている、と。

マリアレッサは勇気あるジャーナリストだ。ドゥテルテは権力者の自覚を持ってジャーナリストを脅すのを止めなければならない。しかしその話は今は脇に置く。

私が憤りを覚えるのは番組を作っているジャーナリストの方々が「人々はなぜこんなデマを信じてしまうのだろう」と考えないこと。どうしてジャーナリストが疑われてしまうのか、それを省みる内容が番組内に一切なかったことに呆れる。

 

SNSはデマ拡散機だ、民主主義の危機だ、と騒ぐ前にやることがあるはず。

「草の根の声に耳を傾けよう」はどこへ行った?

自分が思っていたのと違う声が聞こえてきたらもう耳を塞いでしまうのか。塞ぐだけでは飽き足らず、その声を奪おうとまで。

 

彼らが言うように「民主主義の危機」は近付いているのかもしれない。トランプやドゥテルテやSNSによってではなく、自身を省みることのない傲慢なジャーナリスト達によって。